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無職系ライターのリアルな日々~日和見きなこ~

組織に属すということにどうにも耐えられなかった私は無職になり、フリーライターになりました。そんなダメな私の毎日の記録

昨今のデスゲームブームが今後の出版業界に与える影響について

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皆様こんにちは。日和見きなこです。

実は私、漫画が大好きです。自分が一番集中力を発揮するのは漫画を読んでるときなんじゃないかなと思うくらい漫画が好きです。

そんな私ですが、ここ数年、なんだかなあ……と思ってモヤモヤしていることがございますので、今日はこの場を借りて吐き出させてください。

 

ずばり

昨今のデスゲームブームが出版業界をダメにするのでは? というお話です。

 

目次

まずデスゲームってなんぞ?

デスゲームというのがよくわからない方のために説明すると、登場人物がたちが突然理不尽な状況におかれ、殺し合いをさせられたり、残酷に死んでいくといったホラーの一種みたいなカテゴリのことです。

 

最近はデスゲームブーム?

もはやブームになって久しいので「最近」というのは少し違うかもしれませんね。具体的な作品名を挙げると、漫画ならGANTZ、神様の言うとおり、今際の国のアリス、BTOOOM! などなど、漫画好きなら聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

まだまだデスゲームと呼ばれる種類の作品はあるんですが、これらにはある共通点があります。

①過激な表現

②人がバンバン死ぬ

これらの作品の中では人の命に価値なんてありません。そして体の一部が欠損したり、爆発したり血が飛び散ったり、とにかく過激な表現が満載です。

実はもう一つだけここに挙げた作品には共通点があるのですが、今はちょっと置いておきましょう。

 

こういった過激な表現があるデスゲームですが、実は今挙げた四つは全部連載時期が被っています。

GANTZ……2006~2013年

神様の言うとおり……2011年~

今際の国のアリス……2010~2016年

BTOOOM!......2009年~

 

(Wikipediaより)

 

つまり、同じような過激でグロテスクなデスゲーム作品が同じ時期にぼこぼこ出ているということになりますね。

 

三つ目の共通点。それは内容が薄いこと

そしてこれらの作品のもう一つの共通点。それは、内容が薄いということです。まあデスゲームという性質上仕方がないのですが、このあらすじ、全部「主人公たちが次から次へ理不尽な目に遭います」で九割がた説明できます。

これらはとにかくグロければいい! 理不尽なほど売れる! と考えているのか、作者はろくに帰着点を考えず、グダグダのまま進めて、適当な時期に適当な説明をして終わらせます。

例えば次から次に残酷なゲームに参加させられるタイプならば、ゲームをひたすら繰り返して永遠に続けることができますし、BTOOOM! のようにある一定の条件下で戦う、バトル・ロワイヤルのような方式であれば、スピンオフや別の戦いを描くことでこれもまた引き延ばしが可能です。

とにかく内容なんてないので、人気がある限りいつまでも引っ張っていつでも終わらせられます。

 

内容が薄いならまだいい。ひどいストーリー展開(ちょっとネタバレあり)

例えば『神様の言うとおり』では、正直原作者の常識を疑うようなシーンがたびたび登場します。

(一応ネットで内容を確認していますが私の記憶違いの部分もあるかもです)

 

例えば、数人が徒競走して〇✖クイズの正解に飛び込む。間違えると死ぬ。ビリも死ぬ。というゲームで

すごい頭のいい感じのキャラが「イチゴは野菜か否か」という問題に対して、頭の中の辞書をものすごい勢いで探し、イチゴの項目を見つけて云々……いや、そんなことせんでも木になるのが果物、地面から直接生える? のが野菜って常識でしょ……。

五人くらいいてその人以外誰もわからんってどうなのよ……。

 

また別のレースでは「火星は地球より大きい?」みたいな問題だったと思うけど、それに対して参加者がみんな頭抱えていた。それ、火星のほうが小さいって中学で習うと思うんですが……。

そして五巻で中途半端に終わったと思ったら引き延ばす気満載の弐が出てきた……。なんだかなあ、面白いは面白いんですよ? でも結局同じゲームから再スタートだし、主人公たちは突然魔法使いになるし、数千人の命を預かったプレイヤーがルールもわからんゲームでいきなり最前線に飛び出したり、本当に勢いだけの漫画です。いや、まあ面白いは面白いんだけどさあ……。

 

矛盾だらけ? 今際の国のアリス

これは次から次へと行われるデスゲームに自分から参加しないと、タイムリミットで死んじゃうよ。というお話。

で、主人公はゲームに参加する側なんですが、なんとゲームを運営する側の人間がいることも判明。とはいえ彼らも訳も分からないまま運営しています。彼らのルールは「ゲームで殺した人数だけタイムリミットが増える。ゲームをクリアされると自分が死ぬ」というもの。

ちょっと待て、そしたら簡単なゲームほどプレイヤーはクリアしやすく死亡者も少ない。運営側はハイリスクローリターンじゃん? そもそも確実に一人は生き残るゲームっていくつかあったよね?

これ、漫画の担当の人は止めなかったんでしょうか? しかもこの運営側の人たち、なんやかんやすぐに全滅するので正直話にはなんも関わってきません。

そしてまあ、ラストも取ってつけたような展開でした。いや、これも面白かったんだけどね?

 

ストーリーのレベルが低くても売れるデスゲーム

GANTZの取ってつけたようなラスト……BTOOOM! は主人公が精神錯乱で尺稼ぎ、また同じような時期に出ていたDoubt(2007~2009年)なんて漫画はひどかった。こちらもデスゲームなんですが、まさに衝撃のラストでした。例えるなら事件の犯人は魔法使いさんでしたー! というレベル。漫画を壁に投げつけたいと思ったのはこれが最初で最後です。

 

残酷さだけのデスゲームが今後の出版業界に与える影響

私はこういったデスゲーム、別に嫌いじゃないのです。でも表現の過激さだけが取り上げられて、内容も矛盾だらけ、ストーリーも適当な作品が増えてくるとどうなるか。

読者が馬鹿になってきます。

別にこういうのが好きなあなたが馬鹿と言ってるわけじゃないんです。でも、こういった内容の薄い漫画を読んで育った子供たちはその後どうなるでしょうか。

こんな矛盾だらけのストーリーの漫画を見せられて、本当に緻密な構成だったりよく練られたストーリーの漫画を評価できるんでしょうか。

ブームで出せば売れるから残酷なのどんどん出そう! と出版社が決めた結果、ブームが去った後に残るのは、よくわからないストーリーでも売れるときは売れちゃうというカオスな市場です。

そうなると、何が売れるか予想がつかなくなる。

本当に才能がある人の作品も売れるかわからなくなる。

 

まあ、売れることが才能と言ってしまえばそれまでなんですが……今出版社業界は苦しい苦しいと言っておきながら自分たちで自分たちの首を絞めている状態だと思うのです。

目先の売り上げ、過激さばかりにとらわれず、きちんと内容を精査してよく練って、読者を育てる市場を作っていくべきではないでしょうか。