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無職系ライターのリアルな日々~日和見きなこ~

組織に属すということにどうにも耐えられなかった私は無職になり、フリーライターになりました。そんなダメな私の毎日の記録

暇な無職が本気で考える。スピードラーニングに効果はあるのか?

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皆さんこんにちは日和見きなこです。

今日はちょっと前に話題になったスピードラーニングについてのお話です。

スピードラーニングなんて今更説明するまでもないですよね? 英語を聞き流すだけで話せるようになるよ~というあれです。

日本にはやっぱり外国語コンプレックスみたいなものがあるようで、外国語=めちゃムズイ、という先入観もある。

だからこそスピードラーニングの手軽さは非常に多くの人に衝撃を与えました。

で、じゃあ実際にスピードラーニングって効果があるの?

私は実は試してない。試してないけど、まあ……わかるよ。

 

はっきり言うけど、あれは詐欺みたいなもんだから!

 

目次

外国語学習者が鼻で笑うスピードラーニング

外国語を勉強して、それなりのレベルになった人は、やっぱりスピードラーニングを否定します。私もその一人です。

何故か? それは外国語を勉強するのは大変だからだよ!

 

これは別に「私が苦労したんだからお前らも苦労しろ」という意味で言ってるんじゃない。そうじゃなくて、外国語の勉強には、どんな楽な方法を採ろうと絶対に越えなければいけない壁があるということなのです。

その一つが単語。

どんなに便利な教材を使おうと、単語から逃れることはできません。

英語の文法は基本の暗記事項はそれほど多くないので、基本さえ覚えこんでしまえばその実際の使用については、スピードラーニングのように例文をたくさん聞けば、わかる可能性は……なくもない。

しかし、どうやっても単語は無理です。覚え方に多少の工夫はあれ、一日五分でもいいと謳うスピードラーニングに単語を覚えこませる力はありません。

 

謎の理論。赤ちゃんは聞き流しで覚えるから!

2016年9月9日時点でのスピードラーニング公式ページQ&Aの18番を見てみましょう。

 

Q18: 英語を学ぶのに年齢は関係ありますか?

A: 実際に赤ちゃんや子どもたちがすぐに外国語を覚えてしまうのも事実ですが、 『スピードラーニング』は赤ちゃんや子どもたちが学んでいくのと同じように、「誰でも学べる」ように作られています。(後略)

 

これには明らかな間違いがあります。

まず子供や赤ちゃんがすぐに言語を学んでしまうのは事実ですが、それは子供や赤ちゃんだからです。

彼らは産まれながらに「言語を学習する力」を持っており、非常に短い時間で言語を相当なレベルまで習得します。

その理由については色々な説があるのですが、きちんとした根拠は示されていません。

ただし、事実から

「たとえそれが一つ目の言語であっても、ある一定年齢を過ぎると習得が困難になる」

ということが考えられています。

これについて少し詳しく知りたい人は以下のページを参照してください。

臨界期仮説 - Wikipedia

ジーニー (隔離児) - Wikipedia

つまり、子供は子供だから聞くだけで言語を学べるのであって、それと同じやり方をしようと大人が同じように言語を学べるとは限らないのです。

ついでに言いますと、赤ちゃんが学ぶのと同じように学べるとありますが、赤ちゃんはCDの音だけ聞いて言語を話せるようになるわけではありません。

親からの適切な反応があってこそです。

ですから、この点に関しては正直な話、何を言ってるの……? と思わざるをえませんし、効果の科学的説明がこれでは、なんの根拠もありませんと言っているようなものです。

 

聞くだけで発音ができるようになる? そんなわけあるかい!

スピードラーニング公式ページ、スピードラーニングの特長その6には以下のような記載があります。(注目してほしいところには色を付けました)

 

『スピードラーニング』なら、きれいな英語で話せるようになる
『スピードラーニング』は、発音のきれいなナレーターを起用し、スタンダードなアメリカ英語の会話を基本として収録しています。発音がきれいで、スタンダードな英語を聞き続けると、それがインプットされて、 あなたが実際に英語を話すときに、きれいな英語で話せるようになるのです。事実、『スピードラーニング』で英語が話せるようになった多くの人たちから「『発音がきれいですね』と言われます」という声をいただいています。

 

えー、私は大学で言語を専門にしていましたが、発音関係の分野には興味が薄かったのであまり専門的なことはわかりません。ただそれでも、これは明らかにおかしいでしょ。と思います。

何故なら、英語の発音で使う筋肉は日本語の発音で使うそれとは違うから。興味のある人はこちらをどうぞ→日本語と英語の発音の違い

 

確かに発音をちょっと聞いただけでそれを真似できる人はいると思います。ただそれは日常的に声を出す仕事・訓練をしている、その上で耳が良く学習能力が高い。さらにそれを間違いなく自分の口で再現できる。という一種の特殊能力みたいなものです。

特にスピードラーニングは聞き流すだけでいいと言っているので、何の訓練もなく聞いていたらある日突然話せるし発音も完璧になるって……? いやいやいや……。

なにその、私野球うまいよ? プロ野球見てるし。みたいな理論。

 

スピードラーニングの製作者というかPR係が何故このような不思議な理論を並べ立てているのかはわかりません。正直な話、ここで「この理論を信じる人」と「信じない人」の論争を引き起こして長期的な炎上商法を狙っているのでは? と思えてしまうほど突っ込みどころが満載です。

誇大広告で指導が入ってもいいと思うのですが、やはり勉強法という効果が不確かなものである以上、そういうわけにもいかないのかもしれません。

 

スピードラーニングは真っ赤な嘘か?

ここまでスピードラーニングの矛盾といいますか、明らかにおかしな部分を指摘してきました。その上でスピードラーニングは真っ赤な嘘か? 本当に効果が出ないのか? と聞かれるとうーん……と微妙な反応をせざるを得ません。

つまり、否定もしきれないのです。

聞き流すだけで英語が話せます! というのは正直明らかな嘘です。ただし、CDの方式自体は別に悪いと思いませんし、使い方や本人次第では効果が出るんだろうなと思うのです。つまり、先ほども申し上げた「誇大広告」ですね。

スピードラーニングは従来のリスニング教材と変わらないことをしているのに「聞き流すだけ」で効果が出ると謳っています。それはどうなのかなと思うのです。

では、良い口コミも全部嘘なのでしょうか? まあ結構な割合で嘘だと思いますが、嘘を書いているつもりはないのに書いている人、あるいはきちんと勉強をしているのにスピードラーニングのおかげと思い込んでいる方もいるのではないかなと思います。

 

良いと思っている人ってどんな人?

確実に言えることは、スピードラーニングについて効果があると思っている人は、「聞き流す」以上の勉強をしているということです。

単純に考えてみましょう。英語の同じCDを毎日毎日繰り返し聞くほど英語の勉強が習慣化されている人が、スピードラーニングだけの学習で満足していると思いますか?

仮にそうだとしても彼らの「聞き流し」は絶対に「聞き流し」ではありません。自分で覚えて後から発音してみたり、流れている音声から文法事項を把握しようと努めたり、そのように能動的に動いて学習しているはずです。

そして、それらの複合的な努力の結果、彼らは「スピードラーニングは効果があった」と思っているのではないでしょうか?

そういった努力家の方々の口コミを真に受けて、本当に聞き流すだけで効果が出るとは思わないことです。

 

スペイン語から考える無理だと思う理由

スピードラーニング公式ページのQ&Aの二番目にはこんなことが書いてあります。

例によって色を付けます。

 

Q2: 「聞き流すだけ」で文法は勉強しなくていいのですか?
A: 文法にはこだわらないほうがいいでしょう。むしろ文法にこだわってしまうと、会話を聞き取って理解する能力がなかなか発達しませんし、 文法を考えて会話をしていては、いつまでたっても不自然な会話のままになってしまいます。 私たちは日本語を話すときにそれほど「文法」にこだわって話をしているでしょうか?じっくりと考えてみましょう。

 

まず赤文字。文法を考えて会話していると不自然な会話になる。

それは順序が逆です。外国語は文法をきちんと学び、会話を繰り返し練習することで、徐々に文法という概念を意識せずに会話ができるようになるんです……。

そして青字。

日本語は母語で、私たちが子供のころに学んだ言語だから文法を意識せずに話せるんです。それと第二言語を同じに考えていることがそもそもおかしい。

 

というのは私の記事をここまで律儀に読んでくれた方ならわかりますね。

しかし、仮にこの言葉を信じるならば、スピードラーニング方式は言語を聞くだけで、文法の理解なしに学習言語を習得できる。ということになります。

英語や中国語、韓国語にフランス語の教材まであるのですし、フランス語と祖先を同じくするスペイン語でできないはずはないですよね?

私の得意なスペイン語には、一つの動詞に対して活用が100個以上ありますし、普通に会話するにしてもそのうちの70個くらいはわりと日常的に使うんじゃないかなあと思います。ついでに言うと、その動詞の活用。理解していないと会話になりません。

もう一度言いますが、スピードラーニング方式は文法にこだわらなくていいんですよね?

山のような動詞の数×100の暗記が聞くだけでできるのですよね?

日本語には馴染みの薄い「線過去」の概念や「接続法」も聞くだけで理解できるんですよね?

その概念、CDの日本語訳では表しにくいと思いますけど大丈夫なんですよね?

これが本当なら素晴らしい教材です。

もし興味を持った方がいらっしゃいましたら、スピードラーニングトライリンガルシリーズ、スペイン語版をぜひぜひ。(公式なのかパチモンなのかは謎)

 

スピードラーニングを上手に利用するには?

ここまでスピードラーニングについて色々書いてきましたが、最後に、普通の音声教材としてスピードラーニングのCDを利用する勉強法を紹介しておきましょう。

 

①わからないところは調べる

公式ページでも述べられているように、聞き取れない部分にそんなにこだわる必要はありません。繰り返し聞くことでわかるようになることもあるでしょう。ただし、聞き取れた上でわからない単語や文法はきちんと調べてください。

そうして頭の中で理解したり、咀嚼することはとても大事です。まずはそうして文章を頭の中に入れることから始めましょう。

 

②例文を覚える。声に出す

例文はただ聞いていても意味がありません。できれば覚えてください。小さくてもいいので声に出してください。覚えることと実際に会話することは全然違います。小さな声でもアウトプットを心がけておくことが大事です。

そして、自分がある概念を話そうと思った時に、すぐにその単語が出るように、独り言や、思考を英語に変えたり、とにかく覚えた文で遊びましょう。

 

③聞いた英語を書いてみる

聞いた英語を書いてみるということも大事です。書きとるという行為によって自分が聞けたつもりになっていた部分や綴りが曖昧なところがわかります。スピードラーニングには英語の例文が載った紙などがないので、答え合わせは大変かもしれませんが、それを調べることも記憶の定着に役立つと思ってやってみるといいでしょう。

 

最後に。外国語学習では時間のかかることを恐れない

私は科学的な根拠のない学習法などを述べるのが好きではありませんし、精神論を述べるつもりもありません。ですが、不思議なことに外国語の学習はアナログで時間がかかること、面倒だと思うことが何故か成果に繋がることがよくあります。

例えば外国語の先生はみんな「紙の辞書を使いなさい」と言いませんか? その根拠に納得のいくものはありませんでしたが、事実私の数十人の同期のうち、成績トップの少なくとも三人は紙の辞書を使っていましたし、逆に紙の辞書を使っているのは彼らだけでした。そして、その中には私も入っていました。

普通に考えて電子辞書のほうが調べるのも楽だし早いし、学習効率はよさそうなのですが、何故か紙の辞書を使う人のほうが成績がいい。

 

それが紙の辞書のおかげなのかはわかりません。

・紙の辞書は時間がかかるから勉強時間が伸びる

・探している途中に色んな単語を見るから記憶が定着しやすい

・探している間その単語を頭の中で繰り返すから記憶が定着しやすい

・そもそも紙の辞書を使う時点で意識が高い

これらは私が思う理由兼先生に言われた理由ですが、どれも根拠は弱いですね。

ちなみに私が紙辞書を使っていた理由は、電池がもったいない。お金がない。でした。

 

わからないことがあればすぐ先生に聞けばいい。いやいや考えることが大事。いやいやそれは時間の無駄。などなど、色んな意見があると思いますが、こと外国語に限っては時間のかかることをやっても損にはなりません。

逆に近道はほぼないというのが、ある程度のレベルに達した学習者の中での定説です。

 

ですからあなたもスピードラーニングや、楽! 簡単! といった言葉に惑わされず、いや、惑わされたとしても、まずはきちんと努力することを覚えておいてください。

仮に遠回りをしたとしても後退することだけはありません。

とりあえず勉強した分だけ前には進めてる! という意識だけは忘れないでくださいね。

 

以上でこの話は終わりです。

あなたがこの記事を読んで、少しでも外国語に興味を持ってくれたら嬉しいです。